フクロモモンガは、手の平に乗るほど小さな有袋類ですが、実は、「袋(育児嚢)」は、メスにしかありません。
わずか14㎝前後の体から、それより小さい赤ちゃんが生まれるなんて、神秘的ですよね。
フクロモモンガのメスにしかない子供を育てる「袋」ですが、それはとても見つけにくく、メスのお腹のヘソ周辺にある小さなくぼみが手掛かりだということです。
もちろん、子供がその中で育っていく内には、その様子を見ることができる様です。
フクロモモンガの繁殖に関しては、気をつけたい事柄も多くありそうです。
ほとんどの場合、飼い主に任せられている様ですが、より安全に共寝と出産を終えて、可愛い赤ちゃんとご対面ができるための方法を紹介します。
フクロモモンガの繁殖期
・フクロモモンガの成熟
オス:生後12~14か月
メス:生後8~12か月
個体差はありますが、おおむねこのくらいの時期になれば、ほぼ全体が「大人になった」と認める様です。
・繁殖可能な目安(手がかり)
オス:頭をメスの胸にこすりつける→頭が菱形状にはげる
メス:オスの頭でメスの胸の毛がはげてくる
※オスメスのペアで飼っていると、これらの変化を見ることができます。
繁殖する環境が整ったことを意味する様です。
・フクロモモンガの発情期
フクロモモンガには、もともと「発情期」という期間(時期)はないのと同じで、飼われている状態では、実際、約29日周期で訪れるので、ほとんど一年中、繁殖が可能といえるわけです。
フクロモモンガの繁殖できる年齢
先にも書きましたが、フクロモモンガは成熟すると繁殖可能となります。
ですから、個体差はありますが、メスの年齢で3~4歳くらいまでと考えた方が良さそうです。
フクロモモンガのメスの負担を少しでも減らすために、飼い主は、妊娠出産の時期をコントロールする必要がありそうです。
繁殖を考えている場合は、メスの体のことを考えて年に1~2回程度の出産でとどめ、次の繁殖は半年から1年ほどは空けましょう。
フクロモモンガの繁殖の方法
フクロモモンガのオスが、かん高い声を出してメスにプロポーズする様になり、オスはメスの胸に、メスはオスの胸に、お互いに頭をこすり始めます。
その様な行動が見られる時は繁殖のチャンスです。
その声は、子犬の鳴き声の様に「キャンキャン」と聞こえるそうです。
コレで準備が整いました。
先ほどの子犬の様な鳴き声を出したり、オスがメスの上に乗る行為である「マウント」を飼い主が目にした時、それは共寝の可能性が大きいといえます。
ゲージを環境の良いところ、物静かなところに移動し、飼い主を始め、周りの人間やほかのペットなどの物音を立てたり、プロポーズの鳴き声を叱りつけるなどしない様にしましょう。
ただ注意したいのは、実際に妊娠していても、メスの袋(育児嚢)から子供の尻尾が微かに見えるまで飼い主にすら分らない様です。
確認がし辛い分、まれにではありますが、仲の良いオスメスであっても、共寝につながらない場合もある様です。
仲が良ければ繁殖の可能性は充分にありますから、共寝の意欲を駆り立てるといわれる「動物性タンパク質」を与えましょう。
動物性タンパク質といえば、ミルワームやコオロギが手に入れやすいでしょう。
環境を整え、食事に気を使っても共寝の兆しがない場合は、残念ながら、今の個体同士では、相性が良くないと割り切って、思い切って組み合わせを変えてみましょう。
まとめ
フクロモモンガの繁殖について、フクロモモンガには、繁殖期というものがないに等しいため、飼い主が気をつけながら、計画的に繁殖を行わなければ、ただメスの体力を奪うだけの行為にしかならなくなってしまいます。
フクロモモンガの寿命が5~8年ほど(最長記録:10年以上)であること、繁殖に適した年齢内であること、繁殖に適した季節であることなど、固体の状態(体質:元気度)をしっかり理解した上での繁殖が良いでしょう。
それには、飼い主の日頃の観察が不可欠ですから、普段から個体の様子を、よく見ていることをおすすめします。